部屋探しをすると、家賃が近隣の相場よりかなり安い、「掘り出しもの物件」が見つかることがあります。
掘り出しもの物件は、不動産屋に仕入れられるとすぐに入居者が決まりますので、賃貸情報誌やネットの賃貸サイトにはなかなか出てきませんが、不動産屋を地道にまわると出てきます。
この掘り出しもの物件、どうして安くなるのでしょうか?
ここでは、賃貸物件の家賃が決まるしくみを見ながら、説明したいと思います。
賃貸物件の家賃はどのようにして決まる?
賃貸物件の家賃を決めるのは、もちろん、基本は大家さんです。
大家さんはアパートやマンションを建てるのに、銀行などから借金をしています。
家賃は、それを無理なく返済し、さらに利益が上がるような額でなければなりません。
ただし家賃を大家さんが決めるにあたり、不動産屋が相談に乗ることになります。
入居者を決めるのには、大家さんだけではできませんから、不動産屋の協力が必要になるわけですね?
大家さんとしては当然、家賃は少しでも高いほうがいいわけです。
でも不動産屋は、近隣の家賃相場を熟知しています。
家賃が高いと、入居者を決めにくくなりますから、相場レベルの額になるよう、大家さんを説得することになります。
この「大家さんと不動産屋の協力作業」が、家賃の額が決まる基本メカニズムです。
家賃の相場は、たとえば「日当たりが悪い」とか、「大通りに面してうるさい」などの場合は、当然低くなります。
そのような条件の部屋の家賃が安いのは、当たり前の話であり、掘り出しもの物件とはいえません。
掘り出しものパターン(1) 大家さんが積極的に下げている
掘り出しもの物件の第一のパターンとしては、大家さんが積極的に、相場より低い家賃に設定している場合です。
賃貸物件は、「空室」がでるリスクがあります。
空室だと、その分家賃が入りませんから、大家さんとしてはできるだけ避けたいわけです。
相場レベルの家賃だと、空室は、どうしても避けることができません。
そこで家賃を、相場よりかなり安くすることで、空室を避ける大家さんが時々います。
掘り出しもの物件の多くは、このパターンです。
空室がほとんどありませんから、この物件に出会う可能性は低いわけです。
掘り出しものパターン(2) 不動産屋が説得して下げさせている
掘り出しもの物件の第2のパターンとして、
「不動産屋が大家さんを説得して値下げしている」
パターンがあります。
これは、本来ならそこまで下げる必要もないのだけれど、不動産屋の都合でそうなっていることが多いです。
たとえばある駅「A」に不動産屋があり、物件は、そこから2駅、郊外へ行った「B」駅にあるとします。
不動産屋はA駅の相場は熟知していますが、B駅のことはあまり知りません。
そこで大家さんに、
「2駅も郊外へ行くのだから、A駅付近の相場より安くしてもらわないと入居者が決まらない」
と交渉することがあるのです。
実際には、B駅付近の家賃相場は、A駅と、ほとんど変わらない場合があります。
そのような場合には、家賃はB駅の相場と比べ、極端に安くなります。