引っ越し荷物が破損したり、紛失したりした場合には、
業者は加入している保険により補償することになっています。
引っ越し業者が加入する保険は、最大1千万円までの補償ができます。
ただし、保険金の請求方法を誤ると、
たとえば家具の傷なら「その傷は初めからついていた」、
荷物の紛失なら「そんな荷物は初めからなかった」と言い逃れをされ、
補償を受けられないこともあります。
そこでここでは、確実に補償を受けるための注意点をまとめました。
請求はできるだけ早くする
まず大切なのは、補償の請求をできる限り早くすること。
時間が経てば経つほど、作業員の記憶も曖昧なりますので、
業者が事故を認めなくなります。
一番いいのは引っ越しの当日、まだ作業員がいるうちに事故を発見することです。
目の前で作業員が家具を柱に当てたりすれば、
その場で指摘すれば、相手も事故を認めます。
またそうでない場合にも、引っ越し荷物の搬入が終わったら、
荷物をすぐに一通りチェックしましょう。
もしそこで事故を発見できれば、その後の補償はスムーズに進む可能性が高いです。
またダンボールに詰めた荷物についても、
できるだけ早く開封し、中身をチェックしましょう。
補償の請求は引っ越しの3ヶ月後までできることになっていますが、
遅くとも1週間以内には申し出るのがおすすめです。
破損を見つけたらダンボールの開梱を中断しよう
ダンボールに詰めた荷物が破損しているのを見つけた場合、
その場でダンボールの開梱を中断し、
箱に入れたままの状態で業者の担当者に見せましょう。
破損した荷物だけを見せても、
それがたしかに引っ越しの際に破損したと証明ができません。
また荷物を落としたり、ぶつけたりした痕跡が、
ダンボールの外側に残っていることもあると思います。
その場合には、それも一緒に見せることでより補償が受けやすいです。
紛失は現実問題としては補償が受けにくい
荷物が紛失した場合ですが、これは現実問題としては、補償を受けるのが難しいです。
荷物が確かに初めからあったことを立証するのが難しいからです。
ですから業者は、
「盗難として警察に届けてくれ」
ということで済ませようとすることが多いです。
業者が荷物を紛失することはあり得ず、
失くなったということは誰かが盗んだのだろうという建前です。
紛失を証明するためには、事前に荷物の目録を作り、
それを搬入の前に業者と確認しておくことが必要です。
でもそこまでの手間を掛けるのは現実にはなかなか難しいことです。
ですから引っ越しの荷物については、
失くなっては絶対に困るものは自分で運ぶことが大切です。
また破損の場合と同様、荷物は業者の作業員がいる間にチェックして、
もし失くなったものがあればその場で指摘するようにしましょう。