最近は、敷金と礼金がともに0円という物件も増えています。
これは本当にお得なのでしょうか?
敷・礼0の物件がふえる背景は?
敷金・礼金ともに0円の物件が増えている背景は、賃貸住宅市場が「借り手市場」になりつつあるからです。
誰も借り手がいない空き室が、現在増えているんですね。
その一つの要因は、賃貸住宅自体が増え続けていることです。
賃貸住宅経営は、会社を定年退職した人が、退職金を資金として始めることが多いです。
これまでは、賃貸住宅経営は、退職金の効果的な投資先と言われてきました。
ところがここ数年で、団塊の世代の人たちが、大量に定年退職しています。
その人達の多くが賃貸住宅経営をはじめたため、賃貸住宅は増えているというわけです。
ところが借り手は、減っています。
借り手の中心はやはり「学生」ということになりますが、少子化の影響で、学生は減少する傾向です。
そうなると、賃貸住宅の需給バランスが崩れてしまうということになります。
空室率を少しでも下げるため、大家さんは多くが、様々な工夫を迫られることになっています。
それら工夫の一つが、「敷・礼0」にすることなんですね。
名前の違いで実質的に取られていることもあるので注意!
ただし敷・礼0は、本当に額面通りなのか、確認の必要があります。
名前の違いにより、実質的に取られていることがあるからです。
たとえば「敷金」は、関西圏では「保証金」と呼ばれることが多いです。
そうすると、例えば関西圏で、敷金は0円でも、じつは保証金を取られていることがあるんですね。
賃貸住宅を借りるのは、その土地に育った人以外の場合が多いです。
それらの人は、関西の風習を知らないために、それがわからないことがあります。
また逆に、関西圏で、保証金を0円にするかわり、敷金をこっそり取ることもあります。
これも関西の人にとっては、よく注意が必要です。
退去する際の費用負担は契約前に確認を
敷金が0円でも、退去する際に原状回復が必要なら、そのための費用は請求されることになります。
それがどのようになっているのか、契約前にきちんと確認しておきましょう。
とくに大切なのは、ハウスクリーニング費用です。
これは本来、借り手が払う必要がないものですから、もし「払わなくていい」のなら、口約束ではなく、きちんと書面にしてもらうのがおすすめです。