賃貸住宅を契約する際、「礼金」を取られることが多いですよね?
この礼金、どんな性質のもので、本当に払わなければいけないのでしょうか?
礼金は大家さんへの「お礼」
礼金は、その名の通り、大家さんへの「お礼」です。
これってちょっと、おかしいですよね?
家を借りるのは、通常の商行為です。
何か品物を買ったりするのと、同じであるわけですね?
お店で品物を買う場合、「お礼」にお金を払ったりするでしょうか?
しないですね。
お店の人が「ありがとう」というのが普通で、場合によっては、値段を負けてくれたりするわけです。
それが、家を借りるときだけ、お金を払う側である借り手が大家さんにお礼のお金を支払わなければならないのは、戦後にできた慣習だといわれています。
終戦後、賃貸住宅はとても少なく、家を焼け出された人は多かったので、需給のバランスが大きく崩れました。
そこで家を借りるのはなかなか大変なこととなり、お礼を大家さんに支払うことでもしなければ、家を借りれなかったわけです。
それで、礼金というシステムができました。
それがいまでも、慣習として残っているということです。
借り手市場の現在では礼金は減る傾向
ところが今では、賃貸住宅の需給バランスは、「借り手市場」となっています。
大家さんは、団塊の世代が退職後に多くが住宅経営をはじめたため、増えているのに、一方借り手は、中心である学生が、少子化の影響で減っています。
そのため、賃貸住宅の空き部屋率は増加しているのが現状です。
そのような現状のなか、これまでどおり大家さんが礼金をうけとるままでは、住宅経営はうまくいかないという認識も広がっています。
現在では、礼金を無料とした住宅も、決して少なくありません。
礼金ありの物件でも交渉によって無料になることも
とはいえ、礼金ありの物件がまだまだ多いのは事実。
しかしそのような物件は、成約に結びつきにくいため、稼働率も下がりがち。
そこで礼金ありでも、いい物件があった場合は、それを「無料とする」よう、不動産屋に交渉してみるのはおすすめです。
礼金を取るのか取らないのかは、大家さんの鼻先三寸。
大家さんが「それでいい」と思った場合は、無料になることもあります。
ただしもちろん、礼金の無料化交渉は、契約の前にしなくてはいけません。
契約後に、「敷金と一緒に返してくれ」と交渉しても、それは無理なのは言うまでもないことです。