IKEAやニトリなど大手量販店の家具は分解できないケースがある

意外と知られていないことですが、購入した家具のメーカーによっては引っ越しの時、業者に「このメーカーの家具は運べません」と断られるケースもあります。それはどういうことなのでしょうか?

なんで断られるの?

まず、引っ越しの時に家具はどのように運搬されるでしょうか。階段を人力で持って昇り降りする集合住宅か、開放部分の大きい一戸建てか、エレベーターは十分な大きさがあるかなど引っ越しをする際の家の状況によっても変わります。

基本的に小さいチェストなどはそのまま運べますが、大型の家具は一度分解することになります。ところが、この分解がメーカーによってはやっかいなのです。

断られる代表的なメーカーは?

引っ越し注意物件と言うか、まず引越業者が嫌がるメーカーの代表格がIKEAです。日本でも各地で大型店舗展開していて、低価格でデザインが良く、また店舗もカフェがあったり子どもを遊ばせるスペースがあったり、他では手に入りにくい海外の食材が手に入ったりと楽しめるので、大人気ですよね。

ところがこのIKEAの家具、せっかく買っても引っ越しの際には困ったことになります。

IKEAの家具は組み立て式

IKEAで家具を買ったことがある人ならわかると思いますが、IKEAの家具は大抵が薄っぺらいダンボールの箱にぴったりと入ってきます。つまり、ハッチだろうがチェストだろうがベッドフレームだろうが、限界ぎりぎりまで分解してフラットにすることで輸送効率を上げ、これが低価格の要因にもなっているのです。

ただし、問題はこれからで、このフラットな状態から買った人が基本的には自力で組み立てます。有料の組立サービスもありますが、あまり利用する人は多くはないのではないでしょうか。

ところがこの組み立て方法が商品によってバラバラなのです。ドライバー一本で簡単に組み立てられるものから、専用の工具が必要なもの、どうやっても一人ではできそうにないもの、何時間も図解説明書とにらめっこしてもよくわからないものなど、「当たりハズレ」は相当大きいです。

それでも時間をかければ組み立てはできますが、いかんせん素人仕事ですから、間違いもあるかもしれないし、強度に欠けることもあるでしょう。そして、それ以上の問題が、一度組み立てたらもう一度分解するということを想定した作りになっていないことです。

運ぶという発想がない

まず、IKEAはスウェーデン生まれですが、実はこのスウェーデンという国には、日本でよく見るサカイやアート、クロネコヤマトなどの引越業者はまず目にしません。なぜなら、彼らは引っ越しは家族や友達の助けを借りて自力でするものと思っているからです。

大抵はトラックや車で引っ張る台車をレンタルしてそこに入るだけの家財道具を詰め込んで運びます。スウェーデンの道を走っていた時にハッチバックの車に無理やりソファを詰め込んで移動している人を見て「あの人はなぜあんな無理なことをしているのだろう?」と不思議に思いましたが、おそらくレンタルトラック代を節約していたのでしょう。

そんなお国柄ですから、当然持っていける家具の数も限られます。よって、引っ越しをしたらその家に必要な家具を新たに買い揃え、持っていくのは「おばあちゃんから譲り受けた大切なチェスト」など、本当に限られた一部の家具だけです。

それなら一度組み立てたものを分解してもう一度組み立て直すという作業の発想がないのも当然ですよね。

業者により対応が違う

今はベッドなどの大型家具は業者が分解、組み立てをしてくれます。日本の家具の多くは分解するにしても、たとえばベッドならヘッドボードとフレームというようにある程度までですが、IKEAの家具の場合、前述したようにフラットな板といくつものネジというバラバラの状況になってしまうので、分解組み立てに時間がかかります。

かといって無理して分解せずに運ぼうとしても、所詮素人が組み立てたものですから強度的に問題がある場合もあり、引っ越し中の破損という最悪の状況も考えられます。

このような理由で、業者によってはIKEA製の家具の運搬を拒否するところもありますし、あるいはIKEAの家具に限っては補償の対象外とするところもあります。別料金がかかる場合もあります。

もし、あなたがIKEAの家具を持っていて、見積もり段階で何も言われなかったとしたら、それは営業担当がそれがIKEAだということに気づいていない場合が多いです。後からのトラブルを避けるためにも、自分から言って相談してください。そのほうが万一何かあってからもめるよりも絶対に楽です。

IKEAだけではない

組み立て様式の違いや、なんでもフルフラットにしてしまう点でIKEAが目立っていますが、他にもニトリなど大手の家具店、あるいは通信販売でも自分で組み立てるタイプの家具は安価なため使っている人は多いと思います。

そういう場合はIKEAと同じように引っ越しの際に業者から運べないと言われたり、別料金がかかる可能性もゼロではないので、家具を買う時には将来の引っ越しの可能性まで見越して買ったほうがいいですね。

それでもどうしても持っていきたい

正直に言えば、自分で組み立てるタイプの安価な家具は引っ越す時には破棄して、新しい部屋には気分を一心して新しい家具を入れるのが一番楽だと思います。でも、そんなもったいないことはしたくないという人はどうしたらいいのでしょうか?

自己責任で自分で解体する

ニトリのホームページのお客様サポートコーナーを見てみると、引っ越しの際の解体、再配送はやっていないと書いてあります。おそらく安価な組み立て式の家具のメーカーでそこまでしてくれるところはないでしょう。

そこで、あくまでも自己責任で自分で解体してその状況で運んでもらうという手もあります。ただ、その際にはいくつかの注意点があります。

再組立できるタイプかどうかを知る

多くの組み立て家具はボルトやナットを使うタイプだと思いますが、接合部分をよく見てください。天板に補強された穴があいていて、ボルトとナット、そして間に入るワッシャーというドーナツ型の丸い金属のプレートで止めるタイプであれば、分解してまた組み立てることができます。

しかし、木ねじなど、天板そのものの穴に直接打ち込んで止めるタイプは、一回解体してしまったら同じ強度を保つことは難しいでしょう。

ゆるくなってしまったネジ穴にパテを流しこんだり強力接着剤を併用する方法もあるにはあるのですが、強度的な問題が解決されているかどうかは素人には判断がつきませんし、そこまでDIYに凝ってまでやる必要があるかどうかは疑問です。

再組立できるなら

一番重要なのは、元通りに組み立てることです。解体する時には、必ず全行程デジカメで撮っておきましょう。もし組み立て図や取扱説明書が残っていればラッキーなのですが、とっくに捨ててしまっていた場合、このデジカメの写真が命綱になります。

外した部品と工具は、必ずひとまとめに袋に入れて、それが何の部品なのかわかるようにしておきましょう。せっかく大汗かいて自分で解体、組み立てしたのに最後の最後に小さなパーツが失くなっていたことに気づいて全ての努力が水の泡になったら悲しいですよ。

そして、再組立はできるだけ早くしてください。木の板はそのままにしておくと、必ずたわみや歪みが出ます。その前に組み立てておかないと、二度と組み立てられなくなるおそれもあります。

まとめ

安価な組み立て家具でも、どうしても手放したくないなら、万一の補償を諦めるとか、別料金を払う、自分で解体するなどいくつかの手がないことはありません。ただ、その手間暇、お金に見合うかどうかの判断はあなた次第です。

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